飲食店に携わっている方へ向けて、元害虫駆除業者だった私が今まで訪問した現場で駆除に苦戦した現場(飲食店)を紹介します。
「ウチの店、やばいかも?」
「こうなる前になんとかしないといけないな」
ゴキブリやねずみの被害に悩まされていてる飲食店の方が一歩踏み出せる機会になったら嬉しいです。
お店に入った瞬間にわかる?チャバネゴキブリ特有の臭い
みなさんはチャバネゴキブリを知っているでしょうか。飲食店で働いたことのある方なら見たことあるかもしれませんね。
飲食店にいるゴキブリと家で見るゴキブリは種類が違います。実は一般家庭でのチャバネゴキブリ駆除は数える程度で、依頼件数も飲食店が圧倒的に多かったです。
そんなチャバネゴキブリは「集合フェロモン」を出し集団で行動しています。この集合フェロモンが特有の臭いをしています。生息数が多い現場だと臭いで「チャバネゴキブリ」と特定できます。
休日に家族でファミレスにいったときの話です。
よく飲食店は、入口の扉の先にもう一つ扉があり二重扉になっていませんか?
そこ風除室と呼ぶのですが、すでにその風除室でチャバネゴキブリの臭いが充満していました。
ここでこれだけのニオイなら「店(厨房)の中には何百匹いるのだろう」と考えたら気持ち悪くなりそのまま帰宅しました。
その後、そのお店から駆除依頼が入り、厨房内を確認しました。至るところにチャバネゴキブリがいます。生息数が多すぎて、厨房全体が巣そしてパントリーでも巣を作っていました。そして、客席にまで広がっていました。
厨房内で生息しているのであればお客様の目にはつかないので問題無いと思われている方もいらっしゃいます。チャバネゴキブリの繁殖力は凄まじく、あっという間に客席へと広がります。
客席へ広がったらSNSで拡散されてしまい、営業停止なんてこともあります。
では、どういったところに気をつければ良いのでしょうか。
厨房内のここに注意
ここでは厨房で営巣箇所になりやすい代表的な場所を紹介していきます。
冷蔵庫
外国人スタッフがメインで運営している店舗では冷蔵庫上に物を置く傾向があります。モーターの熱がより一層こもりやすくなるため、営巣箇所になります。冷蔵庫の上に物を置かないように注意しましょう。
コールドテーブル
イタリアンレストランや店内で製麺をしているうどん屋さんあたりなんかはコールドテーブルのモーター周辺に粉が付着しチャバネゴキブリの餌になります。とても居心地の良い場所になってしまうので清掃が重要となります。
食洗機
モーター部分がカバーで覆われており、温かく営巣箇所になりやすいです。清掃も食洗機モーター部分までは実施しないお店が多く、気がついたら食洗機周辺でチャバネゴキブリを見かけるようになっていたなんてこともあります。
什器下
厨房の清掃方法で床を水などで流し清掃されているお店が非常に多くあります。
しかし、厨芥(ちゅうかい)も一緒に流してしまい什器下に堆積しているお店が非常に多いです。
堆積した厨芥が営巣箇所になり、さらにコバエ類、ドブネズミなど別の害虫獣の発生を助長させてしまいます。
一度什器下を除いてみましょう。もし、ゴミ(厨芥)が溜まっていたら一度掻き出してください。
飲食店のねずみ駆除
飲食店におけるねずみ駆除は非常に難しい駆除になります。一度繁殖してしまうと本当に駆除が大変で、駆除業者でも苦戦を強いられます。ではなぜ難しいのか紹介したいと思います。
飲食店のねずみ駆除が難しい理由
粘着板を回避
近年、殺鼠剤が効かず粘着板を警戒している、「スーパーラット」と呼ばれるねずみが出現しています。この「粘着板を警戒している」というのが駆除が進まない原因です。
粘着板にはベトベトしている部分とベトベトしていない部分があります。この「ベトベトしていない部分」を口で咥え粘着板を移動させてしまうのです。
粘着板があると動かない
業者の駆除方法の一つに「敷き込み」という方法があります。
粘着板を置ける場所すべて(百枚以上)置き、捕獲します。この敷き込みで捕獲できれば良いのですが、最近は簡単に捕獲できなくなっています。
ねずみの出入り口を特定し、周辺に粘着板とカメラを設置。カメラで様子を伺っていると、ねずみが巣から出てきましたが粘着板があると警戒して戻ってしまいました。
再度、粘着板の位置をずらしカメラで様子をみていると、ねずみが行動を開始したことがありました。
このように近年のねずみは粘着板を見慣れてしまい、警戒する個体が増えています。
粘着板の効果が現れにくい
厨房では油をよく使用するため、飲食店に住み着いているねずみの身体や足は油でベトベトしています。この油のせいで粘着板の上を歩いても捕まえることができません。
粘着板のベトベトの部分は「ポリブデン」という素材で出来ています。ポリブデンは毒性がなく、非常に安全性の高い物質です。誤って皮膚に付着しても食用油を使えば簡単に剝がすことができます。
油がべたべたを中和してしまうので、油まみれのねずみは1~2枚の粘着板を歩いても身体や足のべたべたが落ちるだけで逃げられてしまいます。
什器を移動できない
駆除方法の一つに「防鼠工事(ぼうそこうじ)」というねずみが出入りしている出入り口を塞ぐといった方法があります。すぐわかる穴なら良いのですが、ほとんどの場合は什器裏に隙間があり、そこから出入りしている事が多いです。
この什器が動かせるのであれば問題ないのですが、中には動かせない什器も存在します。
動かしたらガス管や水道管が破損してしまう場合があるからです。こういった動かせない什器に限ってねずみの出入り口がある確率が高いです。その場合は出入口を塞げないので、駆除が長引きます。
飲食店こそ害虫駆除業者へ依頼を
チャバネゴキブリは放っておくとその繁殖力の高さから完全に駆除するのは難しくなります。特に薬が届きにくい壁の中に逃げられ、そこで営巣している場合は完全に駆除できなくなります。また、粘着板で捕まえられないねずみには知恵を振り絞って駆除する事がほとんどです。
だからこそ、知識と経験のある駆除業者への依頼が大切です。悪徳業者は駆除が難しいことを理由に何度も駆除を行い、都度料金を請求していきます。当サイトでは優良業者を厳選して紹介しているので是非参考にしてみてください。